ショーケースに並べたケーキを販売するタイプや、イートインコーナーを設けてその場で楽しめる形のケーキ屋さんなど見受けられます。
他にも飲食店がデザートでケーキを提供する場合などがあります。
ケーキや洋菓子、クッキーを製造販売するには「菓子製造業許可」の取得が必要になります。
しかし作っているものが同じでも営業形態の違いで取得する許可が変わってきます。
取得する許可によりお店の施設基準も変わってくるのでご注意ください。
このページではケーキやお菓子の販売に必要な許可を業態別に書いていきます。
お店の形態によって許可は違う
上記では3パターンのケーキを提供するお店を書きました。
わかりやすくまとめると
- ケーキの持ち帰りのみ
- ケーキの持ち帰りとイートインコーナー
- 飲食店がお店で提供するケーキ
この三つ、ケーキを提供してますが実はどれも取得する許可が変わってきます。
お店の形態 | 必要な許可 |
ケーキの持ち帰りのみ | 菓子製造業許可 |
ケーキの持ち帰りとイートイン | 菓子製造業許可+飲食店営業許可 |
飲食店で提供するケーキ | 飲食店営業許可 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ケーキの持ち帰りのみ
この場合、必要な許可は菓子製造業許可のみです。
菓子製造業許可を取得するには各都道府県条例で定められた施設の基準を満たす必要があります。
神奈川県の場合、共通基準を満たし原料保存室、製造室、及び製品保存室が設けられていることが必要です。
また飲食店営業許可を取得するのと同様に食品衛生責任者をおかなくてはいけません。
共通基準と食品衛生責任者は下記のページで詳しく書いています。
ケーキの持ち帰りとイートイン
この場合、必要な許可は菓子製造業許可と飲食店営業許可の2つがいります。
上記のように菓子製造業許可の施設基準を満たして飲食店営業許可の施設基準も満たす必要があります。
飲食店営業許可が必要な場合、客席に手洗いを設置しなくてはいけなかったり、お客様用のトイレを設置しなくてはいけません。
飲食店で提供するケーキ
この場合、必要な許可は飲食店営業許可のみになります。
飲食店営業許可のできることが「食品を調理し、又は設備を設けて客に飲食させる営業のこと。」となっており、ケーキの調理も食品を調理するに含まれるからです。
ここで気を付けなければならないのが飲食店でお持ち帰り用のケーキを販売すると、菓子製造業許可が必要になる場合があるのでご注意ください。
保健所との事前相談が重要
許可を取得する際、書類を漏れなく作ったり図面を正確に作るよりも重要なことがあります。
保健所との事前相談です。
営業形態で取得する許可ごとにお店の施設基準が変わってくるので事前相談の段階で「もれなく」「細かく」「ハッキリ」伝えて、お店の施設をどうすれば基準に適合するか確認します。
ここで本当はやろうとしているサービスをハッキリ伝えていなかったり、漏れがあったりすると施設基準が変わり、事前相談で聞いた基準通りにお店を作ったのに許可がおりなかったり、営業できたとしても後から保健所から指導が入ってしまうことがあります。(いきなり罰則が下されることは実務上ないです)
例えばケーキ屋さんがイートインを設置するのにその旨を伝えなければ、保健所は菓子製造業の施設基準でお店の許可を判断してしまいます。(この場合、飲食店営業許可が必要)
大事なことなのでもう一度。
事前相談が重要です!
事前相談は下記の記事もご覧ください。
まとめ
他にもケーキ以外にアイスを販売する場合はアイスクリーム類製造業の許可が必要になるなど食品を扱うには様々な営業許可が絡んできます。
一概にケーキ屋といっても業態の多様化により取得する許可が複雑になってきていますので、ご自身で始めるお店がどのような形態で何を販売するかしっかり決めてから事前相談にのぞみ、適切な許可を取得してケーキ屋さんを始めましょう。
当事務所では菓子製造業許可の取得をお手伝いしています。
保健所との事前相談もサービスに含まれますのでご利用ください。