物件を借りる際に店舗は大きく分けて2種類に分かれます。
①スケルトン物件
②居抜き物件
スケルトン物件とは、前の借主が物件を手放す際に契約前の状態に戻したもので、簡単に言うとコンクリートの打ちっぱなしの状態の物件のことを言います。
居抜き物件とは、前の借主が厨房や空調の設備、客用のテーブルや椅子などの什器をそのまま残している物件のことをいいます。
前者のスケルトン物件の場合、お店作りの自由度は高いのですが初期費用が高くついてしまうことから初期費用を抑えたい方に居抜き物件は人気があります。
しかし居抜き物件にはメリットもありますが、デメリットや注意することがあります。
このページでは居抜き物件を借りる際のメリット、デメリット、注意点を書いていきます。
目次
居抜き物件のメリット
居抜き物件のメリットは2つあります。
- 初期費用が抑えれる
- 工事の日数が少ないためスピーディな出店が可能
細かく見ていきましょう。
初期費用が抑えれる
最大のメリットはこれでしょう。
初期費用が抑えれる。
スケルトン物件の場合、厨房機器や客席、内装まですべてお金がかかるところ、居抜き物件の場合はそれらにかけるお金を減らせます。
また工事に関しても工数が減り、工事のお金も減ります。
初期費用が抑えられれば投資回収までの期間も短縮されますし、広告など集客にお金を回すことができます。
スピーディな出店が可能
物件は借りた段階で賃料が発生します。
工事期間中も賃料が発生しますので、工事期間が長いと売上はないのに賃料だけがかかっている状態が続きます。
居抜き物件はある程度店の内装が整っていたり、厨房機器が設置してあり工事期間を短くできるので、スピーディな出店が可能になり結果的に資金回収が早められます。
1日の売り上げを5万で設定していたら、お店のオープンが10日遅いだけで50万の機会損失になります。
居抜き物件のデメリット
居抜き物件のデメリットは2つあります。
- お店作りの自由度が低い
- 前のお店のイメージを引きずる
細かく見ていきましょう。
お店作りの自由度が低い
スケルトン物件ならお金はかかりますが、すべてオリジナルのお店が作れます。
それに対し居抜き物件はある程度の設備や内装が整ってしまっているため、客席のレイアウトやお店の雰囲気づくりの自由度が低くなります。
結局お店のコンセプトと雰囲気が合わず内装を工事しなおす場合、撤去費用などもかかるため思いのほか費用がかかる場合があります。
前のお店のイメージを引きずる
前のお店が同業種で、もしも近隣の方々へ悪いイメージを与えていた場合には、その悪いイメージを引きずる可能性があります。
例えば前のお店が騒音が激しかったり、不良のたまり場だった、不衛生なお店だった等があると新しいお店でも同じイメージがついてしまうということです。
その場合はオープン前に挨拶回りやチラシ配りなどをして、「運営者が変わった」ことを前面に打ち出して大幅なイメージアップを図る必要があります。
居抜き物件で注意すること
以上のメリットやデメリットを踏まえたうえで居抜き物件を借りることを決めたら以下のことに注意してください。
- 設備はちゃんと使えるか?
- 火力や水圧は足りているか?
- 前のお店の閉店理由はなにか?
細かく見ていきましょう。
設備はちゃんと使えるか?
居抜き物件の場合はエアコンや厨房機器が今もちゃんと使えるか確認する必要があります。
前の借主がいなくなってから月日が経っていると、長期間設備をメンテナンスしておらず、きちんと作動しない場合があります。
正常に動く場合も設備の保証期間が残っているか確認できればいいと思います。
また、入っている設備がリース契約である場合には①どれがリーズ契約の設備なのか?②リース契約の内容は?なども確認してください。
火力や水圧が足りているか?
厨房機器の火力や水圧が足りているかを確認してください。
ご自身が始めるお店がラーメン屋や中華料理屋などの場合は特に火力が足りているかは重要になります。
もし水圧や火力がご自身が作る料理に合わない場合は、ガス管工事や水道管工事などをする必要があります。
ちなみに飲食店の場合、ガスは都市ガスでなくプロパンガスの方がよろしいかと思います。
都市ガスの場合、お店の周りの方のガスの使用状況により火力が変わってきてしまうからです。
前のお店の閉店理由はなにか?
前のお店の閉店理由を不動産屋や大家さんに確認しましょう。
単純に経営不振のといっても、1年も持たずに閉店いていたりお店の入れ替わりが激しいなどの場合、そこの物件は飲食店経営に向かない可能性があります。
お店をオープンする場合は周辺状況のリサーチは必須ですが、リサーチした内容が絶対に正しい保証はありません。
前のお店の閉店理由なども加味してその場所に出店するか考えるのも必要でしょう。
まとめ
居抜き物件を借りる際のメリット、デメリット、注意点を書いていきました。
メリットばかりに目が行きがちですが、デメリットや注意点にも目を向けないと思わぬ費用がかかったり、集客やお店の経営に大きく響く場合があります。
物件探しの参考になれば幸いです。