私の実家は2代に渡って35年以上続いた寿司屋でした。
皆さんは飲食店の廃業率をご存知でしょうか?
開業して1年以内の廃業率は「18.9%」、3年以内の廃業率は「70%」、10年後に残る飲食店は1割しかいません。
実家の寿司屋は駅からも30分以上離れた小さな商店街にあり、決して立地が良かったわけではありません。
マーケティングや広告のたぐいも一切やっていませんでした。
それなのに35年以上続けてこられたのには三つ理由があります。
当時の記憶を探り探りになりますが理由を考察し、まとめました。
固定費が抑えられていた
一番の理由はこれ。
固定費が抑えられていた。
飲食店の高廃業率の理由には固定費が大きいことがあげられます。
実家の寿司屋は店舗と住居を兼ねていいました。
そのおかげで店舗にかかる固定費が少なくできていました。
またお店の切り盛りを両親でやっていたので人件費がかかっていませんでした。
私や弟も配達などの手伝いをしてました。
飲食店の3大コストである「家賃」と「人件費」を最大限抑えられていたということです。
飲食店の3大コストの記事は下記の記事をご覧ください。
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食材のロスが少なくなる工夫があった
2つ目の理由に食材のロスが少なくなる工夫があったことです。
ロスとは食材をお客様に提供せず、廃棄してしまうことをいいます。
飲食店が扱う食材は生鮮、ましてや寿司屋で提供するものは生ものですのでロスが出やすいものです。
食材のロスは①売り上げは上がらない、②原材料の仕入れにお金がかかっている、③さらに廃棄するのにもお金がかかってしまう、などいいことが全くありません。
飲食店をうまく経営していくには食材のコントロールがとても重要になりますが、実家の寿司屋はこんな工夫をしていました。
・余った食材は家の食卓に使う。
・材料は一括で納品せず、商店街で使う分だけ仕入れる
余った食材は家の食卓に使う
実家の寿司屋は余った食材を家の食事の材料にすることでロスを防いでいました。
お店としては仕入れにお金はかかってしまってますが、お店と家の財布が一緒な個人経営の飲食店だからこそできた方法でしょう。
本来ロスにする食品を家の食材費にすることにより、家の食費を浮かせることができました。
ちなみに私は幼少期、寿司が嫌いだったのですがこれが1番の理由です。
商店街で使う分だけ仕入れる
寿司屋は商店街にあったので魚以外の米や野菜などは足りないときは商店街で調達していました。
もちろん市場で魚や野菜も仕入れていましたが大量に仕入れることはせず、足りない分は商店街からの仕入れで補うことで材料をコントロールしてました。
もちろん商店街で仕入れた方が割高になってしまうのですが、上記にも書いた通りロスを出すことにはお金がかかります。
確実に売り上げが上がるなら割高でも仕入れた方がいいでしょう。
このような方法な二つの方法で実家の寿司屋はロスを出さないようにし、原材料をコントロールしていました。
配達もしていたから
三つ目の理由がこれ、配達もしていたから。
むしろ店舗では親せきや仲のいいご近所さんしか来ず、配達に特化していたところが大きかったと思います。
実家の寿司屋はカウンターが6席しかない小さなお店でした。
店舗の大きさは売り上げに比例します。
きっとお店だけで寿司を提供していたらどんなに回転率をあげても経営は厳しかったと思います。
配達も一軒一軒行くわけでなく複数持ちが当たり前でしたから、今思うとあの量を店舗での提供でこなすにはかなりの広さが必要だったと考えられます。
通常、配送コストはかかりますが、配達も家族でやっていたのでコストはかかっていませんでした。
まとめ
三つの理由をまとめますね。
- 固定費が抑えられていた
- ロスが出ない工夫がされていた
- 配達もしていた
この三つのうち①と②はFLRコストが抑えられていた。
③はお店の回転率などを工夫する。
実家の寿司屋が35年以上続けられた理由を一文で表すなら、「経費をおさえて、回転率を上げる工夫をしていた」になります。
皆様のお店作りの参考になれば幸いです。