建設業許可を取得すれば金額が大きな仕事ができるようになったり、信用が増すことにより仕事が増えます。
これだけ見ると建設業許可を取りたいと思われる方が多いかと思われますが、建設業許可を取得するには発注者の保護や、下請け業者の保護などの観点から一定の要件を満たす必要があります。
この要件は許可取得時だけでなく、取得後も要件を満たさなくなると許可の取り消し処分になりますので覚えておいた方がいいでしょう。
どの種類の建設業許可を取得するかで要件は変わってきますが、このページでは特に多い知事許可・一般建設業を取得するための要件を見ていきましょう。
建設業許可を取得する要件は6つある (2020年(令和2年)10月1日時点)
建設業許可を取得するには6つの要件すべてを満たす必要があります。
その要件とは以下の6つです。
①経営業務の管理責任者がいること
②専任技術者がいること
③財産的な基礎が安定していること
④誠実性を有すること
⑤欠格要件に該当しないこと
⑥社会保険に加入していること
①経営業務の管理責任者がいること
経営業務の管理責任者とは、その営業所において、営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、建設業の経営業務について総合的に管理し、執行した経験を有した者を言います。
分かりやすく書くと、建設業の経営をしたことがある人が必要になるということです。
建設業の経営は他の産業の経営とは著しく異なった特徴を有しているため、適正な建設業の経営を期待するためには、建設業の経営業務について一定期間の経験を有した者が最低でも1人は必要であると判断され、この要件が定められています。
②専任技術者がいること
専任技術者とは、許可を受けようとする建設業に関して、一定の資格または経験を有した者です。
建設業にかかわっている方なら聞いたことがあるかもしれませんが、10年以上の実務経験や国家資格を持っている人が専任技術者になれます。
専任技術者は常勤を求められているので他の建設業者の専任技術者との兼任などは原則できません。
③財産的な基礎が安定していること
財産的な基礎が安定していることとは一定以上の財産を有していることをいいます。
なぜ一定以上の財産が必要になるかというと工事の発注をした途端に、請負業者が倒産してしまったという状況を避けるためや、下請け業者への支払いが滞ってしまうことのないようにです。
具体的にいくらあればいいかというと銀行口座に500万円あることか、直前の決算報告書の貸借対照表上の純資産の部の合計が500万円以上ある必要があります。
④誠実性を有すること
誠実性を有することとは、不正、または不誠実な行為をしないことをいいます。
簡単に書くと、工事を請け負うにあたって詐欺や脅迫がなく、契約内容に反するようなことが無いことをいいます。これらは法人であれば役員全員や一定以上の株を持った株主なども該当します。
なぜ誠実性がないといけないかというと、建設業で請け負うものは注文生産で契約から完成までに長期間を要し、契約額も高額となるためです。
⑤欠格事由に該当しないこと
欠格要件に該当しないこととは許可申請書などに虚偽の記載をした、重要な事実を記載しなかった。また、一定の法律に違反したして処罰されたことがないことや、暴力団に所属していない必要があります。
これらは法人であれば役員全員や一定以上の株を持った株主なども該当します。
⑥社会保険に加入していること
2020年10月1日から適切な社会保険に加入していることが建設業許可の要件に加わりました。
適用が除外される場合を除き、適切な社会保険に加入していないと新規の申請や更新申請、業種の追加等ができなくなりました。