お世話になっております。
行政書士の山中です。 

建設業の許可には29種類の業種の区分、一般か特定の区分のほかに知事許可か大臣許可の区分があります。
許可を取得する際に知事許可と大臣許可のどちらを取得すればいいかわからない方もいると思います。

このページでは知事許可と大臣許可の違いと許可取得時に気を付けることを書いていきます。
お時間がない方はまとめだけでも見てもらえたらと思います。

違いは営業所の場所がどこにあるか

知事許可と大臣許可の違いは建設業者の営業所がどこにあるかで決まります。
知事許可は一つの都道府県のみに営業所があるのに対し、大臣許可は複数の都道府県に営業所がある場合に必要になります。

知事許可 一つの都道府県のみに営業所がある
例:神奈川県内にのみ営業所がある
大臣許可 複数の都道府県に営業所がある
例:東京都と大阪に営業所がある

よく勘違いされやすいのが、一つの都道府県内に複数の営業所がある場合は大臣許可になるのではないかというもの。
一つの都道府県内に複数の営業所がある場合には知事許可になります。
複数の営業所があっても同じ都道府県内であるからです。
神奈川県を例に出すと横浜と小田原に営業所がある場合は神奈川県知事の許可が必要になります。

ちなみに知事許可は各都道府県の知事が許可を出すので、東京都であれば東京都知事が許可を出します。
大臣許可は国土交通大臣が許可を出します。

営業所の定義に注意

知事許可と大臣許可の違いは営業所の場所だということはお判りいただけたと思います。
そうすると営業所の定義がとても重要になってきます。
営業所の定義とは請負契約の締結に係る実質的な行為(見積もり・入札・契約等)を行う事務所を言います。

神奈川県での建設業許可の手引きでは以下のように営業所の要件を備えている必要があるとなっています。

  1. 請負契約の見積り、入札、契約締結等の実態的な業務を行っていること。
  2. 電話、机、各種事務台帳等を備えた事務室が設けられていること。ただし、代表者の自宅などを営業所と兼用している場合は、事務室部分と住居部分が明確に区分されていること。
  3. 1に関する権限を付与された者が常時勤務していること。
  4. 技術者が常勤していること

東京都の建設業許可の手引きでは以下のように営業所の要件を備えている必要があるとなっています。

  1. 外部から来客を迎え入れ、請負契約の見積り、入札、契約締結等の実体的な業務を行っていること
  2. 電話(原則固定電話)・机・各種事務台帳等を備え、契約の締結等ができるスペースを有し、かつ他法人又は他の個人事業主の事務室等とは間仕切り等で明確に区分されている、個人の住宅にある場合には居住部分と適切に区別されているなど、独立性が保たれていることなお、本社と営業所が同一フロアである場合、同一法人であるため仕切り等は必要ないが、明らかに支店と分かるよう看板等掲示し、営業形態も別とすること
  3. 常勤役員等又は建設業法施行令第3条の使用人(支店等において上記アに関する権限を付与された者)が常勤していること
  4. 専任技術者が常勤していること
  5. 営業用事務所としての使用権原を有していること(自己所有の建物か、賃貸借契約等を結んでいること(住居専用契約は、原則として認められません。))
  6. 看板、標識等で、外部から建設業の営業所であることが分かる表示があること

建設業に全く無関係な営業所や単に登記上の本店や支店に過ぎないもの、また、建設業に関係のある事務所であっても臨時におかれる工事事務所や作業所、資材置き場や連絡所等は営業所には該当しないことになります。

ただし営業所に該当していなくても、他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなど、建設業に係る営業に実質的に関与するものである場合も、営業所となる場合があります。

知事許可だが県外の仕事はできるのか?

よく勘違いされやすいのが「知事許可だと申請した都道府県内でのみの工事に制限されてしまうのではないか」というものです。

知事許可と大臣許可で受注できる工事場所の範囲に制限はありません。
あくまで営業所がどこにあるかだけで知事許可と大臣許可は判断します。

神奈川県で知事許可を取得している建設業者は一都三県はもちろん、沖縄や北海道の仕事を契約することができます。

まとめ

知事許可と大臣許可の違いのまとめです。
知事許可と大臣許可の違いは営業所の場所が一つの都道府県にあるか複数の都道府県あるかです。

知事許可 一つの都道府県のみに営業所がある
例:神奈川県内にのみ営業所がある
大臣許可 複数の都道府県に営業所がある
例:東京都と大阪に営業所がある

営業所の定義は請負契約を締結するために見積もりを出したり、契約事務を行う場所になります。

もしご自身が取られる許可が知事許可なのか大臣許可なのかわからない。
営業所を増やしたいがどうすればいいかわからないなどお困りでしたら当事務所の無料相談をご利用ください。

お問い合わせ

    メールやLINEでの相談、お問合せは無料です。

    建設業許可で分からないことなどお気軽にご相談ください。

    ※迷惑メールの受信拒否設定などにより弊所からの返信が届かないケースが発生しています。迷惑メールやパソコンからのメールの受信拒否設定を行っている方は、【@ymnk-office.com】からのPCメールを受信できるように設定してください。